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Q.モリナガ特定原材料測定キット(以下従来キット)とモリナガFASPEK特定原材料測定キット
(以下FASPEKキット)の違いは?
A.FASPEKキットの特長として、
1 回収率が大幅向上
2 高感度
3 幅広い適用性
4 高い特異性
5 操作が簡単
が挙げられます。特に新開発の抽出液(特定原材料抽出用試薬)によって回収率を大幅に向上することに
成功しましたので、高度の加工工程を経た食品からでも高回収率で特定原材料タンパク質を検出することが出来ます。
従来キットでは粉体だった標準物質が、FASPEKキットでは液体に代わりました。標準曲線を簡単に作成できるようになりました。
従来キットの標準溶液の濃度範囲は1〜64ng/gでしたが、FASPEKキットの標準溶液の濃度範囲は
0.78〜50ng/gです。厚生労働省通知の方法ではそれぞれ0.4〜25.6μg/g(μg/g、ppm)
および0.31〜20μg/g(μg/g、ppm)となります。
Q. 厚生労働省の通知ではどのキットが指定されていますか?
A.最新の厚生労働省による通知(食安発第1011002号、平成17年10月11日付)では、特定原材料
(卵、乳、小麦、そば、落花生)一次検査用のキットとして、森永生科学研究所製
「モリナガ特定原材料測定キット」ならびに「モリナガFASPEK特定原材料測定キット」の卵
(卵白アルブミン)、牛乳(カゼイン)、小麦(グリアジン)、そば、および落花生測定キット、
そして日本ハム株式会社製の「FASTKITエライザ」ならびに「FASTKITエライザver.U」の卵、
牛乳、小麦、そば、および落花生測定キットが指定されています。
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Q. モリナガFASPEK特定原材料測定キットを使って検査を始めるときに必要な機器や器具は?
A.特定原材料の検査にはキットのほかに以下の機器類が必要です。
振とう機・・連続12時間以上の駆動が可能で、振とう回数が90〜110往復/分、振とう幅が3cm程度の設定が可能なもの。
試料調製用粉砕器、フ−ドカッタ−など・・ホモジナイザーあるいは家庭用ミキサーやミルサーでも可。
メスシリンダー・・19 mlおよび1000mlが量り取れるもの。
濾紙・・ADVANTEC社製の濾紙は5A。WATERS社製の濾紙では40。
マイクロチューブ・・1〜2ml容量のもの。
遠心分離機・・3000×gでの遠心分離能力を持つもの(冷却機能は不要)。
ディスポーサブルのプラスチックチューブ・・50ml容のもの。
マイクロピペット・・100〜1000μ?を量り取れるのもの。
オクタペット
プレートウォッシャー
プレートリーダー・・主波長450nm、参照波長600〜650nmでの測定が可能なもの。
その他一般機器類
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Q.キットの中に危険な薬品はありますか?
A.キットの構成は以下のようになります。
・ 抗体固相化モジュール(8ウェル×6本入り、2パック)
・ 抽出用A液(20倍濃縮)
・ 抽出用B液(20倍濃縮)
・ 標準品(溶液;50ng/mL)
・ 酵素標識抗体溶液
・ 酵素基質溶液(TMB溶液)
・ 洗浄液(20倍濃縮)
・ 検体希釈液(20倍濃縮)
・ 反応停止液(1規定硫酸)
・ モジュールセット用フレームおよびフタ
・ 取扱説明書
この中で反応停止液には1規定の硫酸を使用しています。お取り扱いには充分にご注意下さい。
またアレルギー体質の方は標準物質の取り扱いにもご注意下さい。
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Q.ひとつのキットでいくつの検体を検査できますか?
A. 96穴プレートを使用しています。3点で標準曲線を作成して3重試験を行った場合、
24サンプルを検査することができます。ただし、5品目のうちの1品目の検査対象について
のみ検査ができます。残り4品目の検査については別途キットをご使用いただく必要があります。
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Q.手早く検査を行う“コツ”を教えてください。
A.抽出には一晩(12時間以上)必要です。加温しながら振とうすると
抽出時間を早めることが出来るとされていますが、厚生労働省の通知にはこれは
採用されていません。また、加温法と取扱説明書等に記載されている抽出操作との
抽出効率の違いについても不明です。ELISAの操作では反応時間のずれを最小限に抑えるため、
検体液や試薬液の添加はできるだけすばやく行ってください。試薬類は広口の容器に移し替え、
マイクロピペットを使用するとよいでしょう。
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Q.余った薬品などを他のキットに使用できますか?
Q.キット内容を個別に欲しいのですが....。
A. 試薬類はそれぞれのキットに最適化されているので、他のキットに流用したり個別に購入することは
出来ません。ただし、抽出用A液、抽出用B液と検体希釈液および洗浄液については、
他のFASPEKキットあるいは他のロットのキットに使用することができます。また、特定原材料抽出試薬として販売しています。
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Q.一度開封してしまったキットはどうすれば再使用できますか?
Q.一度使用したウェルの再使用はできますか?
A.開封すると、使用期限が切れる前でも期限前に使用できなくなる試薬があります。
4〜8℃で冷蔵保存しておけば開封後約1週間使用することができますが、開封後はできるだけ早く
ご使用下さい。プレートフレームとフタを除き、一度使用した試薬類は再使用できません。
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Q.好ましい操作環境を教えてください。
A.すべての微量成分検出検査でも同様ですが、空気の動きがなく温度や湿度の変動が少ない
場所が最適です。室温(20℃前後)また、コンタミネーションを防ぐため粉砕・均一化を行う
部屋とキットを使用・保管する部屋は分けておくとよいです。さらにFASPEKキットは
独特の薬品臭があるので、他の方の迷惑にならないように、出来るだけ外部に臭いの漏れないような工夫をしてください。
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Q.日本ハムのFASTKITエライザおよびFASTKITエライザver.Uとの違いは?
A.いろいろな部分が異なりますが、主な違いは以下の通りです。
・ FASTKITシリーズは複合抗原を使って製造した抗体を使用していますが、
FASPEKキットは単一あるいは精製抗原で製造した抗体を使用しているので、
抗体力価が高くシャープな検査結果が得られます。
・ 抗体の反応性が異なるので、偽陽性・偽陰性となる対象が異なります。
FASPEKキットは反応対象が明確で偽陽性が少ないキットです。
・ FASPEKキットのELISAの操作はFASTKITシリーズよりもワンステップ少ないので、検査時間が短くなっています。
*抽出について:FASTKITエライザver.UとFASPEKキットでは抽出は同一で、
抽出液を共用することが出来ます。したがって、一度の抽出作業で両方のキットの検体液の作成が可能です。
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Q.結果の判定の仕方を教えてください。
A.4係数logistic解析より得られた検量線から特定原材料由来の総タンパク質濃度を算出します。
検体1gあたりの特定原材料由来のタンパク質含量が10 μg以上の試料については、微量を超える特定原材料が混入している可能性がある
(一次検査陽性)と判定します。
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Q.「抽出効率」について教えて下さい。
A.抽出効率というのはサンプルに含まれる特定原材料成分が緩衝液中に移行してくる効率をいいます。
抽出効率は加工による成分の変性や阻害物質の存在などにより変動します。従来キットでは抽出効率が
1%以下になることもありましたが、FASPEKキットでは新開発の抽出液(特定原材料抽出用試薬)を
採用することによって、回収率を大幅に向上させましたので、加工工程を経た食品からでも高回収率で
特定原材料タンパク質を検出することができるようになりました。なお、この抽出法は株式会社森永
生科学研究所Watanabeらの方法をもとに開発されました。
(Watanabe Y., Aburatani K., Mizumura T., Sakai M., Muraoka S., Mamegosi S., Honjoh T.,
J. Immunol Methods. 2005 May; 300(1-2):115-23., Novel ELISA for the detection of raw and
processed egg using extraction buffer containing a surfactant and a reducing agent)
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Q.「添加回収試験」について教えて下さい。
A.すでに正確に分かっている濃度の特定原材料を添加して試験を行うことで、
特定原材料とサンプルごとの抽出効率を知ることができます。この試験を添加回収試験といいます。
添加回収試験を行うことで、さらに正確な特定原材料の混入量を予測することができます。
従来キットとFASPEKキットでは回収率が大きく異なる場合があります。必要に応じて添加回収試験を実施してみてください。
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Q.ウェルの洗い方にコツがありますか?
A.ウェルの洗浄は洗浄液の「注入」と「排出」に大別できます。「注入」には隣のウェルに
洗浄液が入り込まないように気をつけ、「排出」時はすばやく洗浄液を捨てるようにします。
排出されきれなかった洗浄液は吸湿性の良いペーパータオルなどにプレートを叩きつけることで
完全に取り除きます。モジュール用フレームは丈夫ですのでかなり強く叩いても心配ありません。
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Q.発色基質液を添加したのに正しく発色しません。
A.考えられる主な原因は以下の3つです。
1 発色基質液の温度が低い
2 発色基質液が光に反応してしまっている
3 抗体が劣化している
原因が1〜3のいずれにも該当しない場合は、弊社へお問い合わせ下さい。
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Q.均一化とは何ですか?
A.サンプル中の特定原材料の分布は一様とは限りません。必ずミキサーやホモジナイザーで成分を
均一させる必要があります。またこの作業はサンプルの破砕もかねています。
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Q.検査サンプルによって検査方法が変わりますか?
A.検査方法に大きな違いはありませんが、きわめて酸性あるいはアルカリ性に偏った食品は
pHを中性に調整しなければならない場合があります。
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Q.測定できない食品がありますか?
A.測定が完全に不可能とは言えませんが、従来キットでは抽出効率が低くいため、
直火で焼いたもの、レトルト、調理済缶詰などは正確な測定値が得られない場合がありました。
回収率が高いFASPEKキットでは、これらに対しても測定可能となりました。
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Q.測定可能な濃度範囲を教えてください。
A.厚生労働省の通知による特定原材料の測定方法では、FASPEKキットの
定量範囲は0.31〜20μg/g(μg/g、ppm)です。希釈倍率を調整することで測定可能範囲を広げることができます。
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Q.弁当やインスタントラーメンはどのようにして検査しますか?
A.弁当やサンドイッチセットなどの食品は全体を一包装単位として考えます。
また、ス−プ、かやく、麺その他がそれぞれ小分け包装されているラーメンなどのインスタント
食品類もこれら全体をワンパッケージとして考えます。いずれも小分け包装されたものすべてを
混合し均一化を行ったものをサンプルとします。ただし、不可食部は混合前に取り除きます。
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